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今月のお題  『野球』    

ビールを飲みながらナイター観戦が堪えられない季節になってきました。野球といえば、日本で最も愛されてきたスポーツの1つでしょう。しかし、昨今野球界にもいろんな変化が起きています。これからの野球界はどのようになっていくのでしょうか。今回は、そんな野球を巡るメンバーの思いをどうぞ。


伊藤 さおり

『キャッチボールがしたいっ!

合併問題で揺れている野球界。どのような結果になるかは分からないが、いずれにしても、野球ファンの気持ちをないがしろにする事だけはないようにして欲しいものである。と、このようなことを言いつつも実はワタシ、野球観戦にはあまり興味がない。野球だけでなく言わばスポーツ全般とでも言おうか、見るより自分がやりたいタイプなのだ。だから人がやっているのにはあまり関心がない。観戦する度に、体力、体格、才能、家庭の事情?その他モロモロで、自分ができないというもどかしさが出現し、何だか面白くないのである。別にプロスポーツ選手になりたかったというのではない。せめてママさんバレーでもできていればまた違ったかもしれないが、残念ながら私の体格がそうさせない…。(というような屈折した心情も影響しているのかも)。ところで野球についてだが、なぜかこれまで経験する機会がなかった。「アタックNo.1」世代だったこともあってか小学校時代はバレーボールが大好きで、キャッチボールを初めてしたのは20歳を過ぎてからだったような。だからの反動なのか、ここ数年はキャッチボールがしたくて堪らない。夫が相手にしてくれないため、息子が生まれた時は「これで相手ができた!」と心躍らせ、すでにグローブも2つ用意しているのに、なぜか息子は興味ナシ。もう小学校1年だぞ! 近所の友達はお父さんとキャッチボールをしてると言うではないか! これはもう、一人寂しく壁に向かってボールを投げるしかないのかなぁー。いつまで経っても野球に縁遠いワタシであった。


森 たかこ

『思い出』

野球は見るより、する方が面白い。 
私は女性なので残念ながら野球はできないが、高校時代にソフトボール部に一時期入っていた。
特に野球が好きだったというのではなかったが、バッターとしてバットの芯にボールが当たった時の感触は、胸の奥がしびれるようで本当に気持ちがいい(手もしびれるが)。ボールがグローブに吸い込まれるように入ったときも嬉しい。
野球部やソフトボール部で、暑い中寒い中をきつい練習に耐えられるのはきっとこんな一つ一つの喜びがあるからなんだろう。リバウンドしたボールを取り損ねてあごを思い切り打っても、合宿で死にそうに苦しくても耐えられるのは、自分のバットに当たって跳ね返るボールがあるからだ。
さて夏が終わり先輩達が去る日が近づいてきた。練習のきつさにクラブを止めたいという一年生も出てきた。そんな時それぞれのポジションが宣言された。私はキャッチャーをやれと監督から言われた。
キャッチャー……、目の前でバットを振られるのははっきり言って非常に怖い。おまけにキャッチャーをするとお尻が大きくなると言う噂があった。
これ以上お尻が大きくなる恐怖には耐えられなかった。
ボールを打つ気持ちよさは、お尻が大きくなる恐怖の前にあっさり負けた。
友人達が退部するのと一緒に私も退部した。
高校時代の苦しくも楽しいクラブ活動は終わった。若かったあのころの軽薄な思い出……。


藤原 佳枝

『プロ野球は不滅なのだろうか・・・


近鉄・オリックスが合併するとか。このままではパリーグは成り立たないから、1リーグに移行という話まで囁かれている。ドル箱の巨人戦の視聴率も低下し、力のある選手はメジャーリーグへ行ってしまう。どう考えてもプロ野球あんまり先が明るくないように見える。
ニュースでもまず最初にメジャーリーグの結果、次に国内、という順序で流される。私自身もTVでプロ野球を見ることはめっきり減ってしまった。何か面白くないのだ。メジャーのシンプルな野球の方が、爽快な気分になれたりする。事実、海を渡ったイチローもゴジラ松井もとってものびのびと楽しそう。
読売中心にやってきて、その弊害がどんどん出ている気がする。またサッカーのようなワールドカップがないのも魅力に乏しい。野球界、どうかいい知恵を出して、盛り上げてほしい。アテネでもガンバレ日本!


福留 順子

野球は阪神


生まれも育ちも、先祖代々、大阪である。それと関係があるのか無いのか、親がそうだったからか「野球は阪神」である。だからといって、球団や選手に詳しいわけではない。
毎年、野球に関しては春の開幕頃は、新聞のスポーツ面を追ったり、テレビ観戦をしたりとそれなりに楽しむのだが、6月頃になると、シーズンは終わってしまう。世間が優勝のことで盛り上がっているときは、「えっ?まだやっているの?」となる。
ところがどうしたことか、昨年は優勝してしまった。疲れることはなはだしい。シーズンが長い!独走に入っても「これくらいいつでもひっくり返されるからな」と心中斜に構える。つい、テレビを見ていても、新聞を見ていても力が入っていたからか、関西の土地柄学校の友達にも阪神ファンが多いからか、娘も何時の間にやら阪神ファンを名乗っていた。おかげで、優勝したときは散財させられてしまった。今年の活躍ぶりを見ると熱も冷めるかな?
ところで今年の阪神は「どないやねん!」。今日もスポーツニュースを見てぼやいてしまった。中途半端は嫌いです。


宇都宮 雅子

『野球のある風景

小学4年生の頃、茶の間に寝転がって見始めた巨人戦で野球のルールを覚えた。わからないことがあると横で同じように寝そべっている父に尋ねる。「ねえ、ヒットエンドランてなに?」「ランナーが走ってバッターが打つんや」・・・この程度の説明でも納得してしまう阿吽の呼吸が野球にはある。
娘が熱心にプロ野球中継を見る様子にほだされたか、父が私と弟を甲子園の阪神・巨人戦に連れていってくれた。レフトスタンドの中途半端な席だったが、見るもの全て珍しいあのときの記憶は今も鮮明だ。当時の巨人はV9時代の不動のスタメン。阪神の先発が江夏と発表されたとき、甲子園全体が「うぉーっ」という歓声に包まれたのだが・・・なんと突然の雷雨で試合は2回表でノーゲームに。どしゃ降りの雨に濡れながら駅まで辿り着いた私たちに、父がいいわけするように言った。「王や長島を生で見れたからよかったやろ」。
初観戦はさんざんだったが、その後も野球好きに変わりはない。見るだけでは飽き足らず、高校時代はソフトボール部に。実際に自分が野球に近いことをやってみて、改めて選手のすごさがわかった。
初観戦から約30年後の今年5月、再び父と甲子園の阪神・巨人戦に行った。母や妹、姪たちも含めて家族6人の野球観戦だ。試合途中でまた俄か雨があったが、今回は銀桟下のオレンジシート。濡れる心配もなく、ラッキーセブンにはジェット風船を飛ばした。5歳の姪はルールを全く理解していないが、「かっとばせ〜、○○!」の掛け声は一人前だ。
こんなふうに野球にまつわる思い出は、語り始めればキリがない。それだけ庶民に浸透した娯楽なのだ。今、近鉄・オリックスの合併問題で球界は半世紀ぶりの激動期を迎えている。庶民の夢と楽しみを奪わないためにも、プロ野球が衰退することのないよう願わずにはいられない。