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春号のお題  『運動不足』    

健康のためには、たっぷりの睡眠とバランスのよい食事、そして適度な運動が欠かせない。
どんな健康本にも書かれてあるこの大原則、わかってはいるけれど守れない人が多いのでは?
特にライターは運動不足が宿命みたいなもの。メンバーはどんなふうにこの課題に立ち向かっているのでしょうか?


森 たかこ

『運動不足解消のためのウォーキング?』

私は運動不足解消のため、夜に夫とウォーキングをすることにしている。
しかし、片方が「さあ、歩くぞ!」と気合いを入れると、片方が何らかの理由をつけてその気をそいでしまう。
夫からの理由
「仕事で疲れた。今日はもう(時間が)遅い。寒い。雨が降っている。雨が降りそう。眠い。明日の朝が早い。気が向かない。など」
私からの理由
「仕事が終わらない。疲れた。頭が痛い。寒い。雨が降っている。台所が片付いていない。面倒。など」
よって、ウォーキングに行ける日は次の条件を満たす日になる。
二人とも仕事で疲れていなくて、やや早い時間で頭が痛くなくて寒くなくて、雨が降っていないまたは降りそうでなく、眠くなくて、次の日の朝ゆっくりできて、気が向かないことはなくて、台所も片付いていて面倒だと思わない日。……ありません、そんな日は。
でも今年になって2回実行した。
夫のたばこが切れた日と、レンタルビデオを返却しなければならない日。
運動不足解消にはせっぱ詰まった事情が必要なようです。


宇都宮 雅子

『人生最大の運動不足』

自宅で仕事をするようになって1年。私は今、人生でもっとも運動不足な日々を送っている。
外出予定のない日は狭い家の中をウロウロするだけだから、1日1000歩も歩かない。スポーツジムやスイミングクラブに行きたいとも思う。しかし、ヒマなときならいざ知らず、仕事が忙しいときは何ヵ月も行くことができず、月会費がムダになるのは目に見えている。行ったときだけお金を払う公共のジムでもあれば理想的なのだが、私が住むビンボー自治体にはそんな施設はなさそうだ。
できることといえば、片道2キロ以内の外出を自転車や徒歩ですること(ついクルマで出かけそうになるのだが)。1日1回ストレッチを心がけること。そして近所をウォーキングすることぐらいか。
これから桜の季節。桜が満開の川辺をウォーキングすれば、心もからだも軽くなるかもしれない。散歩という習慣がこれまでなかったので、今が身につけるいい機会なのかも。ただし、暑さ寒さが厳しくなると、この習慣は他愛なく挫折してしまいそうだが。


藤原 佳枝

『運動不足解消に歩こうか』

 高校時代、電車通学だった私の朝は秒単位の慌ただしさだった。電車が到着する時間にホームにいたことはまずなく、改札口を通り階段を駆け上がってやっと間に合うという状況。それでも息を切らすこともなく、車中では友人とおしゃべりに花が咲いていた。

 しかし、現状は厳しい。入線してきた電車に間に合おうと階段を駆け上がっても、もう途中で足が上がらなくなる。最後は気持ちだけ走っていて、足はどんどん重く歩いているのと変わらない。位置のエネルギーを上げるのってこんなに辛いことなんだと、しみじみと実感。その上、心臓はドキドキし、私の身体大丈夫だろうか、とかすかな不安がよぎることさえある。

 日常生活である程度体を動かしているので、全くの運動不足というわけではないと思っているのだが、甘かった。有酸素運動で推奨されるものは、スイミングとかウォーキングだが、やはり手軽にできるウォーキングを考えてみるべきか。近所でも夕方になるとウォーキングをしている人たちを目にする。しかし、健康のために何かをするというのがどうも性に合わない。紫外線も気になる季節だし、日が暮れてからの外出は億劫だ。気持ちがのらないところに、こういう理屈ばかりが浮かんで、実行への道は遠そうだ。

 お花見の季節。ぶらりと楽しみながら散歩でもしよう。とりあえず実現可能なところから始めてみる。


福留 順子

『筋肉は衰える』

使わない筋肉は衰える。これは当然のことである。が、実感することは、若い時はあまりない。これを実感したのは、長女を出産した後である。出産前に1ヵ月近く入院し、出産後も約1ヵ月近く入院が続き、その後も1ヶ月ほど家の外に出ない生活をした。てきめん!に筋肉に衰えがきた。外に出て感じたのは、歩けない、走れない、こと。愕然としたことをはっきりと覚えている。
数年前、仕事の都合で、週に4日出かけることになった。始めの頃、電車の時間に間に合わせようと走ったら、やはり足が上がらなかった。それまで、スポーツジムに通って、運動したりしていたつもりだが、甘かったのだろう。以来、時間が許す限り歩くようにし、歩くときも早く歩くように心がけている。だから、少々走り続けられるようになっているつもりだった。
先日、駅に行く途中で、中学生の娘と競争になった。最初は「どうだい!」と余裕で先に走っていたけれど、現役は強い!こちらが、1〜2分で「もうアカン」となったのに対して、平気な顔をしてピューと追い越して行ってしまった。全力疾走が、全力疾走になりきらないのだ。そんな走り方、ほとんどしていないもの。
「運動不足」なんて言えるのは、すぐに回復できるような、ある程度の若さが必要だと思う。これからは、いかに筋肉の衰えを回避していくか、を考えて日々の暮らしを考えないといかんなあ、と思う。で、きっともう少し年齢を重ねると、維持するにはどうすればいいか、なんて考えないといけなくなるのだろうなあ。


伊藤 さおり

『大人も子どもも運動不足』

体を動かすことは大好きであるものの、定期的にスポーツをするという生活にはすっかり縁遠くなってしまった。バレーボールやハンドボールといった球技スポーツに親しんでいた学校時代が懐かしい。
そして今、運動不足を少しでも解消できていると言える事は、毎日の雑巾がけ。何故こうも汚れるのか、と首を傾げたくなるほどすぐに汚れが溜まる床や階段を這いつくばって拭くのは、結構全身運動になっているような気がする。掃除機をかける方が便利で早いのだろうけれど、表面のチリやらホコリやらを吸い取るだけなのは、今ひとつ達成感がない。それになにより、知らず知らずのうちにスリッパの裏で踏みつけて床にベッタリ付いてしまったご飯粒だの、ダイニングチェアの脚下にひっそりとへばり付いているホコリの塊だのを取り去るのは、やっぱり雑巾に限る。家がキレイになって運動不足も少しは解消できるなんて、一石二鳥ではないか。
ところで、運動不足なのはなにも私のような大人ばかりではない。小学生の子どもたちもそうだ。最近は子どもの間で携帯ゲームが大人気。友達が集まった時くらい外で遊べばいいものを、1人1台持参のゲーム機に噛り付いている始末で、外遊びすることで養われてきた体力や筋力やバランス感覚やらは年々低下傾向にあるそうな。
運動するということは、体を健康に保ってくれるだけでなく精神の安定にもおおいに役立つ。これからの気候の良い季節。大人も子どもも心地よい汗をかいて、運動不足解消といきたいものだ。