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夏号のお題  『年金』  

「高いなぁ」と思いつつ、毎月毎月年金保険料を払い続けてきたのは、
「多少目減りしても年金が老後を支えてくれるだろう」という淡い期待があったから。
しかし、年金を目減りさせているのは少子高齢化でも長引く低金利政策でもなく、社会保険庁の怠慢だった。
この情けない現実を、メンバーはどう見るのでしょうか?


藤原 佳枝

『年金問題』

20代の頃、年金って遠い将来のことで、あまり実感がなかった。30代もその延長。しかし、今や40代になり自分にとって大きな現実問題となっている。自分の支払った年金記録がどうなっているのかも気になる。社会保険庁のHPから申請しようとしたのだが、これまた不親切な説明でわかりにくい。結局、電子申請はあきらめて、書面にて問い合わせようかと思っているところだ。
しかし、社会保険庁という組織はどうなっているのだろう。連日のずさんな資料管理を見聞きするにつけ、全く馬鹿にした話だと思う。役人の自主的なボーナス返還が提案されているが、きちんと仕事をしている人には気の毒だと思う一方で、組織全体の連帯責任という感情もある。日本人はお上の言うことには逆らわずにやってきたが、そのお上がこの体たらくとは。今回社会保険庁がクローズアップされているが、ほかの省庁は大丈夫なのだろうか。いわゆるお役所仕事で、国民の目線での仕事はできていないのではないかと想像される。
今回の参議院選挙も年金問題が大きなポイントを占めている。とにかく抜本的な対策を講じてほしい。払ったものを払っていないとされるなど、考えられないことが起きているのだ。人と人の間が信頼で結ばれているように、個人と国とも信頼関係がなければたちゆかない。安倍首相の掲げる「美しい国」から、どんどん離れている現状。自分の年金も自分で確保することが必要なのだろうか。若者が年金不払いになるのも当然かもしれない。とりあえず自分ができることは、現時点で自分の支払い記録がどうなっているの確認すること。不払いになっていないことを祈るのみだ。


宇都宮 雅子

『社保庁全職員よ、仕事をしろ!!』

2年ほど前、国民年金保険料を振り込むのを忘れていたことがあり、社会保険事務所から未納を知らせるハガキが届いた。そこに記されていた年金加入期間を見てビックリ。大学卒業後、10年会社勤めした期間の厚生年金が通算されていない! 驚いて社会保険事務所に電話してみると、若い男性の声で「ああ、それなら年金手帳を持ってこちらまで来てください。すぐに手続きできますんで」と、なんとものんびりとした返事があった。
しかしその後、忙しさにかまけてほったらかしていた。10年間勤務していたことは紛れもない事実だし、保険料を払っていたことを自分で証明しなくてはいけないとか、年金がひょっとしてもらえなくなるかもしれないなんて考えもしなかった。なにより、電話越しに聞いた職員ののんびりした口調が耳に残っていた。
今、社会保険庁が揺れに揺れ、年金不安が世の中全体を覆っている。実際、ニュースで社保庁の内情を知るにつれ、あきれることばかりだ。はっきり言って仕事をしていない。5000万件以上もの年金情報が宙に浮いたのは、残業したがらない職員と、残業させたがらない組合と、天下り先の心配ばかりしているトップの思惑が「仕事を放り出す」ことで一致したためらしい。社保庁の全職員が夏のボーナスを一部返上するらしいが、当然だろう。これって、過去に退職した幹部職員らの退職金を遡って返上させてもいいぐらいの事態では? ある程度以上の役職であれば、年金番号のマッチング作業を放棄することで将来なにが起きるのか想像できたはずだ。
あののんびり声の青年は、今どんな心境なのだろう。社保庁のコンピュータ上のデータが事実と異なることは、日々の業務でわかっていたはず。それになんの疑問も持たなかったのだろうか? 自分たちが仕事をしていないことに、全く気がつかなかったのだろうか?
すべての公務員が仕事をしていないと言うつもりはないが、私の周囲には残念な公務員の例が多い。


伊藤 さおり

『植木等も真っ青?! 日本一の”無責任体質”』
 
新たな事実が次々と明るみに出ている年金記録漏れ問題。フリーダイヤルの電話相談「ねんきんあんしんダイヤル」には、6月の約1ヶ月間で326万件を超える相談が殺到したそうだが、私自身も、結婚、引越し、厚生年金から国民年金への変更など、記録漏れが発生するケースをいくつか満たしているので、心配は尽きない。
なぜ、こんなことになったのだろう。年金制度の複雑さも要因のひとつだし、システムの不備などいろいろあるだろうが、社会保険庁の無責任体質が根底にあるのではないだろうか。年金の記録に電子化が導入された時、アルバイトも行ったその入力作業は上司によるチェックはまったくなかったそうで、あるテレビ番組でモザイク出演していた元職員が、「おやつを頬張りながら入力作業していた」と話すのを聞いた時には、その意識の低さにガックリときたものである。
そんな年金問題だが、今から3年前には、未納問題が世間を騒がせていた。今やすっかり過去のものとなった感があるが、当時は年金を払っていなかった芸能人や政治家の名前が公表され、社保庁の職員の中には、有名人の記録をのぞき見する輩も現れたっけ。実は、私もその頃、国民年金を滞納していた。3ヶ月だけど。でも、しっかり職員が家まで督促に来た。「私のところなんかより、もっと何年も滞納してる人がいっぱいいるのに」と腹立たしく思ったが、悪い芽は早いうちに摘む、ということだったのだろう。それなのに社保庁は、こと自分のことに関しては摘むのを怠り、四方八方に伸びたその芽はすっかり大木となって、今や無秩序に枝葉を茂らせてしまっているのである。


森 たかこ

『基礎年金番号のお知らせ』

「基礎年金番号のお知らせ」という手紙が平成9年に送られてきた。
たぶん社会保険庁から送られてきたのだと思うがそのときに、以前勤めていた時に入っていたはずの厚生年金の分が書いていなかったので、その旨の返事を出した記憶がある。
まさか国がそんないい加減なことがあるはずがないと思っていたのでちょっとびっくりしたのだが、もしそのとき確認していなければたぶん今問題になっている誰かわからない5000万件のうちの一部になっていたんだろうなと思う。
でも社会保険庁の管理について今大きな問題になっているのを聞くと、その後の記録もきちんと記録されているのだろうかと非常に不安になる。

社会保険事務所は今はかなり混んでいそうなので、もうしばらくしたら確認しにいこうと思うが、どうしてこんないい加減なことができるのか本当に信じられない。
当時の責任者、責任とってくださいな。


福留 順子

『年金セルフディフェンス』

後、何年したら、年金を受け取れるようになるのかなあ?遠い先だったことが、なんとなく先が見えてきたというところ。そして、ことここにいたっていろいろな問題が発生している、のを目にする。確かに、国民年金、厚生年金、国民年金…それも妻という身分の第3号から、なんていうのかな?本人身分の国民年金まで、様々に年金は払い続けている。きちんと漏れなく記載され続けているのか、確認をしなければならないのだが、今の騒動を見ていると、混雑しているだろうなと怖気づいてしまって、思いは心の中にとどまったまま。これを、セルフディフェンスの無さ!という。
先日、機会があって刑事が話す犯罪に巻き込まれないための講座を受けた。そのときに印象に残ったのは「あまりに自分で自分を守るという意識が無さ過ぎる」ということ。その延長線上にあるのだろう。年金問題も。
 そもそも行政というのは、国民が税金という名のお金を出し合って手が回らないところをしてもらう、という制度のはず。例えば、家事をする時間が無いからそれを変わりにしてもらうとか、大工仕事が出来ないから屋根の補修などをしてもらう、というようなもの。頼んだ仕事がキチンと約束が励行されているかどうか、確かめるはずですよね?だとすれば、行政の仕事もきちんとできているかどうかを監督する必要は、われわれ国民にある。
 貴方任せにしてきた、つけが今頃回ってきているのだろう。しかし、これだけ巨大になって巧妙になって、知らないでも生きて生けるような世の中のシステムにドップリ漬かって、うーん、逃避したくなるよなあ。それでは、悔恨を子ども世代にまで残してしまうことになる。ウン、まずはキチンと選挙に参加すること。そして、小さいうちからシステムを考えられるように教育することだな。エーン、考えただけで大変になって、人に任せたくなるよな〜。これがイカンのですよね!


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