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2009年春号のお題  『新幹線』

1964年10月1日に最初の新幹線(東海道新幹線)が開業しました。
今ではJR各社が東北新幹線や九州新幹線なども運営し、多くの人を運んでいます。PIAZZAのメンバーは新幹線にどんな思いを抱いているのでしょうか。


森 たかこ

『わくわく新幹線』

私は鉄道マニアではないけれども、電車が大好き。その中でも一番好きなのは,やはり新幹線。
あんな長い重い車両が、すーと滑るように動き始めるのを体感するたびに、ああ、なんてすごいんだろう、って感動する。
日中、外の景色を眺めているのも楽しいし、夜、車内の様子が窓に映っているのを見るのも楽しい。そこに乗り合わせた人たちの思いが凝縮して映っているみたい。
たまにしか乗らないから、乗るたびにわくわくしているのかもしれないけど、やっぱり新幹線はいい。今度はN700系に乗りたい。乗っていると中はどれでもそう変わりないんだけど。
かつて、莫大な費用がかかる新幹線の建設に、世界の物笑いになるという批判があったそうだ。それでも新幹線の建設が続けられたということを知るとますます、新幹線が好きになる。関係者の方々にはよくぞがんばって形にしてくださったという思いでいっぱい。
2年前、夫が東京に単身赴任することになった。
出発するとき、新幹線で東京へ行ってしまった。が、なんとこの3月でもう単身赴任が終わった。
帰るときももちろん新幹線。その間の帰宅もすべて新幹線。
何度も新幹線に乗れてうらやましいことだ。
(夫は2時間半も乗っているのはしんどいと文句を言っているが)


藤原 佳枝

『新幹線』

1964年に新幹線が開通してから45年。高速で安全な乗り物として、世界に誇れる輸送機関だと思う。東京-大阪間がそれまでは移動で1日つぶれていたのに、今や片道2時間半ほどで、日帰りができるようになった。
最初にこの鉄道高速計画が持ち上がったときには、採算がとれないし無理な計画であると反対も多かったと聞く。それを実現に持っていた人たちの情熱と実行力。NHKのプロジェクトXでも取り上げられていたと記憶しているが、まさに技術立国日本を象徴するものであろう。
高速化と安全性という2つの必須のものを共存させているこの素晴らしい乗り物を、日本はもっと輸出できればいいのにと思う。2007年に台湾新幹線が開通したが、まずまずの結果をおさめているようである。欧州との競合があるが、新幹線の実績はゆるぎないものであるから、これからどんどん営業して世界に輸出してもらいたい。
ただ、新幹線の登場によって、東京発の夜行列車が消えてしまった。のんびりとした旅情を味わうことがなくなったのは少し寂しいことである。




宇都宮 雅子

『今や日常の乗り物』

この数年、私は東京に拠点を置くようになり、新幹線は日常的な乗り物となった。昔は旅行気分満点で、それなりの服装をして乗車したものだが、今や近所のスーパーに行くときの格好とあまり変わらない。メイクするのも面倒だったりするので、スッピン率も高い。ただし、近所へ買い物に行くのと違って気軽に引き返すことができないので、忘れ物と戸締りには気をつかう。
東海道新幹線の場合、窓側の席が取れる「のぞみ」に乗るのが習慣だ。窓側席にこだわるのは、車窓風景が眺められ、テーブルを広げなくても飲み物を置くことができ、コートやバッグを壁のフックにかけられるから。できればA席よりも、富士山を眺められるE席がいい。ところが、自動券売機では「窓側席」としか指定できず、E席に当たる可能性はかなり空いているときに限られる。
これが東北・上越・長野新幹線になると、A席とE席を自動券売機で指定できる。2階建て車両などもあって、いろいろ選べるのが楽しい。また東北・上越・長野新幹線ができたことで、これまでなら宿泊していた出張も、ほとんどが日帰りできるようになった。出張時の荷物が減ってラクになったが、郷土料理や温泉を楽しむ機会が少なくなったわけで、これは少々さびしい。
安全性といい、時間の正確さといい、新幹線は本当にすばらしい。スピードの割に揺れも少なく、車内は静かで仕事も読書も居眠りもできる。N700系なんて座席ごとに電気コンセントが用意されて、「さあさみなさん、仕事してくださいよ」と言わんばかりだ。この上JRさんになにかお願いをするとしたら、もっと料金をお安くしてください、といったところか。この願い、聞き届けていただけないものだろうか?