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2010年春号のお題  『給食』

子供時代、給食といえば大きなポイントを占めていました。家庭料理とはまた違うメニュー。懐かしさを覚える方も多いのではないでしょうか。
メンバーは給食についてどのような思いがあるでしょうか。


宇都宮 雅子

『給食って有難い!』

自慢にもなんにもならないが、私は食べ物の好き嫌いが多い。大人になってかなり改善されたが、子どもの頃はひどい偏食だった。だから小学校の給食の時間は、それは苦労した。牛乳やチーズは匂いがNGなので、息を止めて飲んだり、パンと一緒に呑み下したり。牛乳・チーズは今でも苦手なので、6年間よくガマンしたものだと思う。

その後、日本人の生活水準の向上とともに、給食の質はどんどん良くなったようだ。カレーや鶏の唐揚げなど、私の時代にはなかった子ども受けするメニューも出ると聞く。正直、今の子どもたちが羨ましい。

給食の優れた点は、栄養バランスがきちんと考えられていること。人は自分で料理するようになると、好きなものしか食べなくなる。当然、栄養が偏る。試しに1週間の食事内容を記録すると、好きなものしか食べていない現実にゾッとするらしい。給食にせよ社員食堂にせよ、栄養士さんが栄養バランスやカロリーを考えてくれる食事は、私たちが思っている以上に有難いものだと思う。

今後、私が給食を食べる可能性があるとしたら、それは老人ホームだろうか。相変わらず好き嫌いは多いだろうが、食べられないのは自分が悪い。栄養バランスを考えて、手間ひまをかけ、料理してくれた人への感謝の気持ちを忘れないでいたい。


森 たかこ

『私も給食を食べたかった』

 子どもの頃、私の通っていた小学校は給食がなかった。その頃は、給食の話題が出ても別に何とも思わなかったが、高校生ぐらいになって小学校時代の給食の話が出ると、ちょっと寂しい思いをした。
 ほとんど話の内容は、「食べ終わるまで遊びに行かせてもらえず嫌だった」とか「まずい」とかあまり良くはなかった。それなのに、ほとんどの人が給食の思い出を話す様はうっとりと楽しそうで、やはり給食の時間は楽しかったんだろうなと思う。
 でも大学生の時、教育実習で行った先の小学校では、私も給食を食べることになった。それだけでもちょっと嬉しかった。「まずいかも」と心配したけれども、結構おいしくて、得した気分。
 今はさらに、味もどんどんおいしくなってきているようだし、主食もパンだけでなく、ご飯や麺もある。栄養士さんが栄養のバランスも考えてくれていて、費用も安い。良いことづくめ。
 アレルギーや宗教上の問題など、全員に同じものを食べさせるというのは難しいことがあるのかもしれないが、そういう配慮はしながらも、給食は小学校だけでなく中学校などにも広がっていってほしいと願っている。
 そして今だに、給食の話題が出るたびに「やっぱり食べたかった」と思ってしまう自分がいる。


藤原 佳枝

『おいしい給食』

先日、某ホテルのバイキングを食べに行ったら、「給食メニュー」と称するコーナーがあった。揚げパンやら竜田揚げやらで、懐かしく眺めた。

元々、私自身は好き嫌いの多い子だった。その上、今からウン十年前の給食教育といえば、残さず食べること!アレルギー持ちの子供もほとんどいなかったので、教師も好き嫌いなく全部食べるようにと指導したものだった。こういう状況下での給食時間は、私にとって苦痛だった。もちろん、好きなメニューもあることはあったが、数えるほど。パンが主体のメニューも食べにくさを助長していたような気がする。

現在子供の小学校の給食は、和食が多い。食育という観点から、メニューもよく考えられている。そして、子供の感想は「とてもおいしい!」。何より、食べることへの強制がないのが、羨ましくもあり好ましくもある。もっともその根底には、アレルギー持ちが増えているために何でも食べさせるわけにはいかない、という深刻な問題もあるのだろう。親の立場からすると、安価で栄養バランスのとれた給食は、本当に有り難い。しかも、子供がその時間を楽しんでいるというのは何よりうれしい。

自分にとっては、給食タイムは少々辛かったが、それでも今から振り返れば懐かしさもある。今後も、給食は変遷していくのだろうが、できるだけ継続してもらいたいものだ。