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   2010年秋号のお題 『地球温暖化』

昨今の異常気象の原因のひとつとしてささやかれている「地球温暖化」。メンバーは地球温暖化問題をどんなふうに考えているのでしょうか。


森 たかこ

『地球温暖化についての宿題』


地球温暖化があちこちで話題に上るようになって数年経つ。けれども、どのくらいみんな理解しているのだろうか? 
「地球温暖化? 地球が暖かくなるんだろ(それがどうした)」って、ほとんどの人は思っているんじゃないかな、と少し危機感をもっていた。
でも、今年の中学生の夏休みの宿題を見て驚いた。
「地球温暖化」について、何かしらのレポートを書かなければならないのだ。
地球温暖化について、社会の教科書に載っているということからも、みんなに理解してもらおうとする公の意志がわかるけれど、レポートを書かせるという宿題が出ることには、もっと理解してもらおうという意志が感じられてとても嬉しく思った(公立の中学校なので大阪市だけのことかもしれないが)。
生徒はよくわからないなりにでも、資料を読み、写したりまとめたりしなくてはならないからだ。そうすることによって、地球温暖化に対して、よりいっそう理解が深まってくる。
日本の学校教育もまだまだ頑張っているんだなと嬉しくなった。


宇都宮 雅子

『地球温暖化の前にできること』

世界には「温暖化問題なんて存在しない」という意見があるらしい。地球は今よりもはるかに高温だった時代があったし、反対に氷河期だって何度も経験した。そんな惑星規模の気候変動の前には、人間の営みなんて関係ないのだ、と。
しかし、私の世代は子どもの頃、川や海が公害であっという間に汚れていくのを見て育った。この地球上に人間だけが増え過ぎてしまい、CO2をはじめとした温暖化ガスを撒き散らしているのは、間違いのない事実。CO2は目に見えないからなかなか実感が持てないのだが、エアコンの室外機から出る熱気の不快さ、夏の都市部の暑さは実感が持てる。

私たちはもう充分に便利で快適な暮らしをしている。これ以上、便利になる必要なんてあるのだろうか? 
ひとりひとりがCO2を排出しない努力が、必要だと思う。なるべくクルマをやめて自転車や公共交通機関にしたり、電気やガスを使うときに省エネを心がけたり。ちなみにわが家のエアコンの設定温度は夏30℃、冬20℃。扇風機やひざ掛けでガマンできるところまでガマンし、「これ以上ガマンできない」と感じたらエアコンに登場願う。
ひとつひとつは小さなことだけれど、みんなが実行すれば大きい。私はそう信じている。


藤原 佳枝

『地球温暖化の対策のリーダーシップ』

私が子供の頃、地球温暖化なんて言葉は見慣れないものだった。むしろ、寒冷化とさえ聞いた記憶がある。今の子供は、地球温暖化という言葉を小学生の頃から学んでいるようだ。
地球温暖化防止策として有名な「京都議定書」は、入試にさえ登場するぐらいポピュラーなものになっている。

地球温暖化は今世紀末ぐらいには大問題になるだろうと言うけれど、差し迫った緊迫感を感じない。異常な猛暑が続いた今年など、何か以前とは違う・・・という実感を覚えるのだが。自分一人ぐらいが気をつけたってたいしたことはできない、と思ってしまうのが将来の大事につながる。
少し生活の無駄を見直せばいいのだ。エアコンの設定温度を上げる、電気は付けっぱなしにしない、などできることはいくらでもある。

世界的に問題になっているにもかかわらず、温室効果ガス削減義務を決めた「京都議定書」には、あのアメリカは参加していない。途上国の排出量抑制の道筋もいまだ決まっていない。この問題においては、日本はリーダーとなりうると思う。省エネ対策もアメリカなんかよりもはるかに進んでいるのだから。地球温暖化という世界規模の問題の対策において、日本がリーダーシップをとれるようになれないものだろうか。片鱗を感じるが、政治力を考えるとまだまだか。