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   2013年春号のお題 『アベノミクス』

経済のことはよくわからないけれど、アベノミクスという言葉は周知となりました。
果たして、アベノミクスで日本は変われるの?
メンバーの思いはいかがでしょうか。


森 たかこ

『開票作業見学』


自民党の安倍晋三首相があげた経済政策をアベノミクスというらしいが、2012年12月に行われた衆議院選挙は自民党が勝ちそうだという噂の段階でも、株価などが上がってきていた。
自民党が与党になってもこの時点では誰が首相になるかわからないので、今の株高などはアベノミクスの影響だけではないだろうけど、アベノミクスの効果か、民主党時代とは経済の流れが変わってきているのは日々感じる。
先の衆議院議員選挙は、実は開票所で自民党が実際に票を伸ばすのをリアルタイムで見ていた。
投票時刻は20時までで開票は21時からなので、その間はたったの一時間しかない。
しかしその間に、投票箱は各投票所からタクシーで続々と開票所に運ばれて来てあっという間に広い部屋に集め並べられ、21時を待つ。
開票が始まると、投票用紙を多くの人が一枚一枚分けて数えてという地味な作業が続く。途中何回か小選挙区や比例区の開票途中の結果が発表される。
こうして自民党が圧勝する開票を開票所で見ていたわけだけれど、混乱もなく流れるように開票が進むのを見て、日本ってやっぱり落ち着いていていい国だなあと思う。
開票作業を見学するのは生まれて初めてだったけど、なかなか興味深い光景だった。選挙権のある人はぜひ一度見学してみてください。


宇都宮 雅子

『先が読めない時代の気つけ薬?』


2次安倍政権誕生以来の経済変化には驚いた。
まず、輸出型企業を苦しめていた円高が大幅に緩和された。私の得意先には輸出型企業も含まれているので、少しほっとした。さらに株価がじわじわ上がっている。これも喜ばしい。
その一方で、物価が上がりはじめた。円高や株価は私たちの生活への関わりが見えにくいが、物価はストレートに響いてくる。アベノミクスがめざす物価2%上昇が達成されるのはいいのだが、その分収入が上がらないことには生活は苦しくなる一方。一部大手企業は早くも春闘満額回答やボーナス上乗せを表明しているが、中小企業や私のような零細自営業者に好影響が及ぶのはずっと先の話だろう。ずっと先でもいい結果が出ればいいのだが、そのまま置き去りになる可能性も大いにある。

もちろん、アベノミクスはいい面ばかりではない。ある専門家によると、アベノミクスの最大のデメリットは国債発行量がさらに膨れ上がり、次世代に膨大な借金を残すことだとか。しかし、不況の時代にアップアップしている私たちは、なかなか先のことまで考えられない。企業だって、まずは今年度の利益を追求する。だって利益を上げないことには、その人は会社にいられなくなるのだから。

それにしても、この国はいったいどこへ向かおうとしているのだろう。
先日、ある有識者会議を取材したとき、パネリストのひとりが次のように発言された。
1年前、アベノミクスを予想した人がいましたか? いないでしょう。高経済成長と人口増加の時代は先が読みやすいが、低成長と人口減の時代は10年どころか1年先も読めないのです」
そんな時代に私たちは生きている。


藤原 佳枝

『変わるという気持ち』


アベノミクス、うまいネーミングだなと思う。
安倍政権が誕生してから数ヶ月。民主党から自民党へと政権交代したときから、経済のセンチメントは転換した。
ずっと低迷していた経済の歯車が回り出した様相を呈している。

まだ実体を伴ったわけではないが、マーケットは大きく反応した。リーマンショック後、日本は円高に苦しみ、株価は低迷していた。他国はリーマン前まで回復していたのに、日本は下がるだけ。しかも、じわじわとした下がるのは、何とも沈んだ気持ちにさせられる。
日銀による金融緩和。インフレターゲット設定など、今まで未知なだけに今後の経過がどうなるのか心配もある。
身近では電気ガスなどの値上げの方が目につく。

しかし、みんな変化を待っていたような気がする。変わるかもしれない、そうした気持ちが現在の円安株高につながっているのだろう。
1年後、末端にまで経済好調の影響が行き渡り、明るい気持ちでいられることを心から願う。
安倍首相自身、再登板にて大変身である。日本も再復活できないはずはない。