元に戻る

   2013年秋号のお題 『オリンピック』


4年に一度のスポーツの祭典オリンピックが2020年東京で開催されることが決まりました。7年後自国開催のオリンピックについて、メンバーはどのような思いを抱いているのでしょうか。


森 たかこ

『見ているだけなのに、熱くなるオリンピック』

4年に一度しかないオリンピック。
人生のすべてをかけて競技に取り組む選手の様子を見るのは、赤の他人であっても感動的だ。それが外国の人であっても感動する。
しかし、選手が身内であったり(まだ身内にはいないが)、同じ学校や同じ地域の出身であったり、日本人であったりするとなおさら。もう必死で応援する。競技が放送されているこちら側からは、選手に応援している声が届かないのはわかってはいるが応援せずにはいられなくなる。
以前、娘の出身中学校の校舎に「○○選手オリンピック出場おめでとう!」というような垂れ幕があった。その後その選手はメダルを取った
そのことは娘の誇りである。その娘の親である私も誇りに思う。全く接点はないのに……。
そういうつながりがなくても日本人が活躍した様子を見るだけで元気が出る。
外国の選手にも感動すると言っておきながらこういうことをいうのは矛盾するが、やはり自分の所属している属性に近い選手ほど応援してしまう。
オリンピックと言うのは、4年に一度のスポーツ大会であると言うだけでなく世界中の人に愛国心に火をつける祭典なんだろう。
2020年のオリンピックは、東京で開催される。他国で開催されるオリンピックよりいっそう日本全体が熱くなりそうだ。今から、もう期待して待っている。


宇都宮 雅子

『オリンピックがやって来る!』

7年後、オリンピックが日本にやって来る。
スポーツ観戦は大好きなので、身近でビッグイベントが開催されるのは単純にうれしい。チケット入手は大変だろうが、遠い外国で開かれるビッグイベントに行くことを思えば、負担は天地の差。チケットさえ手に入れば、電車で1時間以内の場所に会場がある。4ヵ月後に開かれるソチオリンピック観戦ツアーの価格を調べたところ、なんと150万円! 8ヵ月後のブラジルワールドカップツアーが200万円(!)という、途方もない金額なので、身近で開催されるありがたみが身にしみる。

さらにうれしいのは、社会の空気に高揚感が生まれたこと。オリンピックの経済効果がどれほどあるのか知らないが、決定の瞬間から続く明るさはメディアだけのものではないだろう。税負担や工事の増加、渋滞・混雑など、いろいろ弊害もあるだろうが、長い目で見ていきたい。
私が小学生だった1970年、大阪万博が開催されて大阪の都市風景が変わった。その50年後に開かれるオリンピックで、東京はどう変わるのだろう。
水を差すようなことをひとつ言うなら、どうか大地震が起きませんように。
こればかりは天に祈るしかない。


藤原 佳枝

『オリンピックのもたらすもの』

2020年にオリンピック・パラリンピックの東京招致が決まった。
決定の瞬間を生で見ていたわけではなく、ニュースで知ったのだが、知っていても感動する場面だった。入念になされたであろうプレゼンは見事だった。

1964年の東京オリンピック。生まれてはいたものの自分にとっては記憶にない。バレーボールやら柔道やらの活躍。そしてマラソンの円谷選手の自殺など後世までまで語られる歴史としての認識でしかない。当時はそれ以降の高度成長をもたらすものとなった東京オリンピックだったが、2020年は別の意味合いがあるだろう。

オリンピック・パラリンピックがワンフレーズとなるように、障害者も健常者も同じスポーツの場に立つ。ちょうど高齢化を迎える日本が、心のバリアフリーを含めて誰にとっても住みやすいところであってほしい。そして、日本らしい伝統文化とハイテク技術を融合したものを提供できたらと思う。

今から7年後。短くもなく長くもなく、ちょうどよい。子供達にとって目標となり明るい未来となるように、停滞した日本が生まれ変われるようなきっかけとなってほしいと思いつつ、オリンピックのニュースを聞いた。