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  2014年秋号のお題 『ロボット』

鉄腕アトムや鉄人28号。私たち日本人にとってロボットは身近に感じられる存在でした。
実用的なロボットが周りに増えてきている昨今、メンバーはロボットと聞いて何を想像するでしょうか。


宇都宮 雅子

『ロボットはみんなの夢』

私の世代にとってロボットとは、イコール鉄腕アトム。100万馬力で空を飛び、人間的な感情まで持つロボットは残念ながらまだ登場していないが、日本のロボット技術者が人型にこだわるのは、アトムの影響大いにあり、だろう。

アトムのようなロボットは夢の世界だが、お掃除ロボットはわが家の床をいつもきれいしてくれる。ロボットが掃除するだけでもかなり満足度が高いのは、「掃除機をかける」という重労働を劇的に減らしてくれたからだ。
製造業などで使われる産業用ロボットはもちろんのこと、介護用ロボットも開発が進んでいる。介護は重さとの闘いなので、重さを苦にしないロボットに助けてもらえれば、介護スタッフはどんなに助かるだろう。費用や使い勝手、利用者の抵抗感など問題は多々あるだろうが、ロボットは機械だから一度導入すれば休憩時間も必要ない。毎日クタクタになるまで働いている介護スタッフにとって、またとない相棒になるのではないだろうか。人が立ち入れない場所の災害救助用ロボットも同様だ。

なにより、ロボットは工学系エンジニアの夢をかきたてる。自分が設計・製作したものが目の前で動く感動は、子どもの頃のおもちゃづくりと相通じるものがあるのでは? 先日、ロケットエンジン設計者に取材したとき、「宇宙はみんなの夢ですから」という言葉に「なるほど」と思ったが、ロボットだってみんなの夢。
いつか、『火の鳥』のロビタのようなロボットが一家に一台ある時代になりますように―――と書くと、結局手塚マンガが発想の源であることが、自分でもよくわかる。


森 たかこ

『SFと本物のロボット』

私が子どもの頃(何十年前も前)、ロボットと言えばSF(サイエンス・フィクション)、つまり作り話の中に出てくるモノだった。ロボットという概念はアトムによって知った。
ある程度本が読めるようになると、SF小説もよく読んだ。ロボットは、宇宙や円盤やタイムマシンなどとともにいつも私をワクワクさせてくれた。私にとってロボットとはアトムやドラえもんや星新一氏のボッコちゃんなのだ。空想の世界の住人であって実際にはふれたり話したりできないモノなのだ。

でも今は、本当のロボットがいっぱいいる。(「ある」、ではなく「いる」という感じ)
産業用ロボットや介護用ロボットやレスキューロボットなどその用途も本当に多岐にわたっている。
本物のロボット見たさに、若い頃はロボットに関する催し物などには時々出かけていて、いつも「すごいなあ」と感心させられて帰ってきていた。
今でもニュースなどで、いろんな機能を持ったロボットの紹介がされる度に「すごいなあ」と感心している。
だけど、現実の世界は現実の世界で置いておいて、私の中では、空想の世界でロボットたちが宇宙人や異次元の世界の人とともに今も生き続けている。


藤原 佳枝

『心がふれ合えるロボット』

ロボットは日本が得意とする分野。工事現場でもあふれているし、これからの高齢化社会において介護支援
などニーズは多いだろう。お掃除ロボットは市民権を確立して当然の存在になっているし、これから洗濯・
アイロンロボットなども登場してくるのだろうか。人間がやってきた肉体労働を軽減するのにうってつけだ。
広い何もない部屋を掃除し続けるのはロボットにとって簡単だが、落ちている紙を拾うことはとても難しい
らしい。細かい動作をどう覚えさせられるのか、技術者にとって大きな課題であろうが是非とも克服して
どんどん使えるものを作ってほしい。将来的には技術立国日本の柱にもなってほしいと思う。

一方、そうした人間の作業軽減に有用ということと別の視点から、近々「感情認識ロボット」が発売される
予定だ。ロボットがこちらの気持ちを読み取ってくれるらしい。これには興味津々である。人と人との
ふれあいが希薄になっているのは寂しいことだが、ロボットと気持ちを通じさせることがどの程度できる
のだろう。所詮ペット化するのだろうか。ある程度の交流ができるのならば、癒しの面からも魅力的だ。
所詮、ロボットに内蔵されたソフトは人間が作っているのだから、あまり期待できないとの説もあるが、
個人的にはロボットとの対話、すごく面白そうだとポジティブに考えている。
購入した方の感想を早く聞いてみたいものだ。