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  2016年冬号のお題 『マイナンバー』
マイナンバー通知カードは届きましたか? そしてマイナンバーカードの申請はどうしますか?
色々言われているマイナンバー、PIAZZAのメンバーはどのように考えているのでしょうか。


藤原 佳枝

『マイナンバーによる監視』

12月にマイナンバー通知カードが送られてきた。12桁の番号がランダムに付けられているという通り、家族でも全く違った番号で規則性を考えつくことができない。マイナンバーというネーミングは結構うまい。かつて国民総背番号制度が言われたことがあったが、立ち消えになった。いかにも堅く管理されている感じが漂う。それに比してマイナンバーというのは柔らかい。しかし、結局のところ、個人情報が国家によって一元管理されているという点では変わりないように思う。

マイナンバーカードを持てば、住民票などがコンビニで取得できるらしい。書類の受け取りが便利になるのは有り難い。また正しい納税の方向に進むのならば、総合的に国民の利益にもつながるだろう。だが、年金事務所の情報管理の不備など、個人情報の漏れには大いに不安がある。一度漏れた情報は拡散し続けて、被害は計り知れない。結局のところ、情報にアクセスするのも人間なのだから、そこに悪意が存在すれば、怖いことが起きてもおかしくないように思う。

などなどマイナンバーカードの申請は考えてしまう。ちなみに、マイナンバー通知カードの受け取り拒否の人々もいるようだ。別に違反でもないし、カードを持たなくても法的な問題も全くないらしい。多額の金銭を投入して導入されたシステム。そのお陰で、これほど大きなメリットがあったという発表が聞きたいものだ。カードの申請はそれを確認してからにしよう、と思う昨今である。


森 たかこ

『マイナンバー これでいいの?』

我が家にも平成27年10月にマイナンバーの通知が送られてきた。
住民票を有するすべての人に、1人1つの番号が通知されるとのことなので、来て当然なのだが、周りの知人はほとんどがもっと早くに来たと言っていたので、いつか来るだろうと思いながらも来てほっとしたような、来なくてもいいのにと思うような複雑な気持ちだ。

マイナンバー制度は日本の国民すべてに関係のあるとても大切な制度。それなのに、ほとんど議論もされず、審判も受けずにあっという間に決まってしまったような気がする。

住民票や年金の手続きが楽になると言われたら「それはいいけど……」と思うが、セキュリティ面など考えると、なりすましなどに使われたらどうしようと考えてしまう。怖くて仕方がない。少しくらいの手間などどうでもいいと思うほどだ。

時代の流れとしては、いずれマイナンバーのような制度は必要になるのではないかとは思う。
だけどそのメリットデメリットなどを、もっと周知徹底させ議論し、もしもの時はどうすればいいのかなどの対策も考えるべきだと思う。
学校でもこの件について、全国で取り組んでも良かったのではないかと思う。
そして橋本前市長が大阪都構想で大阪市民の意思を投票で明らかにしたように、マイナンバーに関しても、投票して国民(住民基本台帳法の適用を受けることになった外国人)の意思を聞いて決めてほしかったと思う。



宇都宮 雅子

『マイナンバーがわからない』

なんだかよくわからないまま、わが家にマイナンバー通知がやって来た。
郵便局の配達員さんがいつもより丁寧に本人確認をし、いつもより丁寧に頭を下げて帰って行った。届いた通知書は他の書類に紛れないようにしまっておいたが、さてカード申請をどうするか?
脳裏をよぎるのは、まず「この制度導入にどれほどの利権が発生しているのか?」。
次に多額の税金を投入して、どれほどの効果があるのだろう?という疑問。

そもそもは国が税金の取りっぱぐれを防ぐための制度だろうが、国民の側に住民票を取得しやすくなる以外のメリットがあるのだろうか? 住民票なんて、そんなにしょっちゅう必要なものでもない。私としては行政サービスのIT化が進んでサービスコストが減り、その分私たちの血税を社会保障などに有効活用できるのならうれしいが。

…と、ここまで考えて、マイナンバー制度に関する知識がまったくない自分に気がついた。
「仕事が忙しい」「そもそも興味がない」「説明がわかりづらい」……自分に知識がない理由はいろいろ思いつくが、こうして言い訳しているあいだに今年も重要な法案が国会を通過していくのだろう。
中東やアフリカ諸国のように、生きるか死ぬかの選択がない平和ニッポン。ボ〜ッと過ごしていても、そこそこの行政サービスが提供され、それなりに毎日楽しく生きている。
いつかこのツケが、未来の自分と社会に回ってきませんように。